0801


わたしがわたしの身体感覚に則して生きることを、ようやく脳が許してくれるようになった

点滅ではなく、安定した光として、体の明晰さが手許に戻ってきた

ひとまずわたしは職を手にいれ、障害者雇用として、社会人の後方支援を行うことになる

今のこの体なら、少なくとも、惑わせてくることはないだろうと、冷静に思える


「理解」を求めるための説明を要しない社会的立場になるということ

そんな経験が自分にはなく、不思議な感覚になる

「保証」「信用」という熟語を含む営為において、

「社会的立場」という紋所はあまりにも汎用性が高く、

それを見せることがあらゆる社会的活動を簡単にする

そういった仕組みを享受するグループに、

特段の苦しみを伴わず参加するであろうことに、

少しばかりの安心を感じる程度には、わたしは変わったように思う

守りたい感覚-知覚-認知を毀損することなく、

大切にしたい、わたしやあなたの心の動きを見逃すことなく、

多くの人が負荷なく理解できる存在としてわたしの一部を表明できる

それは、手続き的煩雑さを省略できるのみならず、

わたしが生きていくことの仕組みを、緩やかにでも変えていくだろうと想像する

わたしがわたし自身を守るのに必要なものが、

よりすっきりとした形で、現れるような気がする


今までこの体に染み渡ってきたいくつもの物事が、

少しずつ体表に滲みあがり、

それが膜となって全身を覆う

皮膜は世界の刺々しい砂混じりの暴風を吸収し、

巣穴のあたたかなシャワーがその排出を促す

わたしのなかにある湖のほとりに、少しずつ新芽が見え始めている

美しく、透き通った水を湛えたビオトープを、取り戻さなければならない

すべてのいきものがそこでまた穏やかに生を享受できるときを待ち望んでやまない






2026



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